2023年8月、関東地方に新たな鉄道路線が敷設されました。
その名も「宇都宮・芳賀ライトライン」
通称「宇都宮ライトレール」です。
開業したから4ヶ月が経過した「宇都宮ライトレール」に実際に乗車をしてきましたのでその時のお話をしていきたいと思います。
また何故宇都宮の地に、路面電車が敷設されたのかも深掘りをして、路面電車が開業して訳も一緒に「宇都宮ライトレール」に詳しくなりましょう。
1.宇都宮ライトレールとは
「宇都宮ライトレール」とは、2023年8月26日に開業した、路面電車です。
日本国内としては「75年ぶりに出来た新規開業の路面電車」であり、日本の公共交通機関の新しい形となる「LRT(ライトレールトランジット)」です。
運行区間は、
栃木県の「宇都宮駅東口」から東の方角へ線路が伸びています。
途中「鬼怒川」を越えて
- 「清原工業団地」
- 「ゆいの杜エリア」
- 「芳賀町工業団地」
を経て、「本田技研工業」がある「芳賀・高根沢工業団地」を結ぶ「14.5km」の路線です。
宇都宮駅東口〜芳賀・高根沢工業団地までは
「各駅停車 48分」
で結んでいます。
2024年春より「快速運転」を予定しており、
宇都宮駅東口〜芳賀・高根沢工業団地間を
「37分〜38分」
で結ぶ予定になっています。
2.宇都宮ライトレールが出来たワケ
宇都宮市の東側(鬼怒川よりも東側)には、国内最大級の工業団地が造成されています。
そのような工業団地で働いている人々が宇都宮駅から、また自家用車を利用して工業団地へ向かうことにより、宇都宮市内の交通渋滞、鬼怒川を渡る橋の渋滞が慢性的に発生をしていました。
そのような事態を解決するべく、検討されたのが新しい交通システムであり、選ばれたのが「LRT(ライトレールトランジット)」でした。
当初は様々な意見がありましたが、2013年に宇都宮市が「東西基幹公共交通の実現に向けた基本方針」を策定し、事業化へと道を進めて行きました。
事業化から約10年を経て、宇都宮ライトレールは「宇都宮駅東口〜芳賀・高根沢工業団地」の14.5kmを開通させ今に至ります。
3.宇都宮のモデルケースとなった「富山」
宇都宮よりも前から「路面電車」を敷設して成功したケースがあります。
それが「富山県」です。
富山県の「富山市」「高岡市」に路面電車が敷設されており、市民の足として活躍をし続けています。
「富山市」には、
- 「富山市内循環」する路線
- 「富山大学」方面へ向かう路線
- 「富山地鉄南富山駅 」へ向かう路線
- 元はJR西日本が運営をしていた「富山港線」を路面電車化した「岩瀬浜線」
の4路線が存在します。
また、「高岡市」にも
「高岡駅前〜越ノ潟間」を結ぶ日本で2番目に新しい路面電車「万葉線」が走っています。
実際に乗ってみると、
- 平日の日中でも利用される方が非常に多い
- 電車も日中は15分間隔での運行
- 路線バスよりも「定時性」に優れている
といった様々なメリットを感じました。
特に「定時性」や日中も15分間隔で走っていることを考えると気軽に乗れる乗り物だなと感じます。
またバリアフリーにも優れていることも特徴的です。
床がとても低い「低層車両」の導入することで
- 車椅子利用の方
- 目の不自由な方
誰でも安心して利用できる乗り物だなと感じます。
宇都宮ライトレールにも、
「定時率」「バリアフリーに対応」「乗りやすい」
と言ったことが求められていますので、宇都宮駅から芳賀地域になる工場地帯への輸送にはもってこいの公共交通機関だと考えます。
4.実際に「宇都宮ライトレール」に乗ってみた
実際に「宇都宮ライトレール」に乗ってきたので、平日日中の乗車率や運行本数、また立ち寄ってきた「注目の電停」をご紹介します。
注目の電停
①宇都宮駅東口
栃木の玄関口、北関東随一の都市「宇都宮」にある電停です。
電停は東口にあり、JR宇都宮駅の2階ペストリアンデッキから直接乗車することが出来ます。
この電停には、「定期券うりば」も併設されており「宇都宮ライトレール」の定期券を購入することができます。
また、この「定期券うりば」では「宇都宮ライトレールの一日乗車券」を購入することが出来ます。
②宇都宮大学陽東キャンパス
宇都宮駅東口から約10分。
ここの「宇都宮大学陽東キャンパス」は、商業施設「ベルモール」の最寄りの電停となっています。
ベルモールとは、宇都宮駅の東側にある巨大ショッピングモールです。
「イトーヨーカドー」を筆頭に、
- 「TOHOシネマズ」
- 「ケーズデンキ」
- 「宇都宮天然温泉 ベルさくらの湯」
など買い物以外でも沢山楽しめる施設が充実しています。
宇都宮駅東口〜宇都宮大学陽東キャンパスまでは非常に利用者が多く、ベルモールへの向かう人が多く見られました。
③平石
宇都宮駅東口から約15分。
この平石停留所には、宇都宮ライトレールの車両基地が併設されています。
朝夕、深夜帯には「平石止まり」の列車も設定されており、宇都宮ライトレールの重要な電停で2面4線と規模の大きい電停です。
また、平石停留所徒歩2分の位置に「宇都宮ライトレール 定期券うりば」があります。
こちらでも宇都宮駅東口と同様「定期券」「宇都宮ライトレール 一日乗車券」の購入が可能です。
④グリーンスタジアム前
宇都宮駅東口から約30分。
グリーンスタジアム前には、その名の通り「電停から徒歩7分ほど」の位置に「栃木県立グリーンスタジアム」があります。
ここは、Jリーグ「栃木SC」の準ホームスタジアムであり、年に数回ホームゲームが開催されます。
また当電停には折り返しの設備もあり、イベント開催時の折り返し運用にも対応。
快速運転開始時には、待避設備としてもその役割を遺憾無く発揮するでしょう。
⑤ゆいの杜エリア(西・中央・東)
ゆいの杜エリアには、3つの電停があります。
・ゆいの杜西
→主な商業施設:ホテルルートイン・マクドナルド・焼肉きんぐ
・ゆいの杜中央
→主な商業施設:ヤマダ電機・ジョイフル・たいらや
・ゆいの杜東
→主な商業施設:カインズ・DAISO・ウエルシア
ゆいの杜エリアには、様々なロードサイド店舗が存在し買い物、食事等には困らないエリアです。
実際に、宇都宮ライトレールを利用した際はこのエリアにある「ジョイフル」で食事しました。
「ジョイフル」は、九州のファミレスチェーン店です。
特に東京都には3店舗ほどしかなく、あまり訪れる機会がないので皆様も是非足を運んでみてください。
また、住宅も多く並んでおりここで住む方にはライトレールの開業はかなり嬉しいものになったのではないでしょうか?
5.宇都宮ライトレールのお得なきっぷ
「宇都宮ライトレール」では、2023年11月3日より「一日乗車券」の発売を開始しました。
購入箇所は、
- 「宇都宮駅東口 定期券うりば」
- 「宇都宮ライトレール車両基地 定期券うりば」
の2箇所で購入することが出来ます。
3種類の一日乗車券
宇都宮ライトレールの一日乗車券は、3種類あります。
- 「大人用一日乗車券」:1000円
- 「大人用一日乗車券(餃子券付き)」:1300円
- 「子ども用一日乗車券」:500円
があります。
特に注目なのが、「餃子券」が付いている1300円の一日乗車券です。
この「餃子券」は、宇都宮駅からバスで10分ほどにある「来らっせ本店」で飲食・お土産品購入の際に利用できるものになっています。
宇都宮ライトレールも宇都宮餃子も楽しみたい!という方には必見のお得な一日乗車券になっています。
支払い方法は、現金のみでした。
普段からキャッシュレス生活をされている方は事前に現金を準備して行きましょう。
- 宇都宮ライトレールの一日乗車券は大人1000円、子ども500円
- 来らっせ本店で使える「餃子券」付き一日乗車券は大人用のみで1300円
- 購入箇所は、「宇都宮駅東口 定期券うりば」「宇都宮ライトレール車両基地 定期券うりば」の2箇所
- 支払い方法は「現金のみ」
6.まとめ
今回は、「宇都宮ライトレール」について深堀をしつつ、実際に利用してきました。
2023年8月26日に悲願の開業を迎え、4ヶ月程が経ちましたが、平日日中でも座席が6〜7割ほど埋まる利用を見せており、段々と地元に定着しつつあるのかと感じました。
また、2023年11月3日より「宇都宮ライトレール」でも「一日乗車券」の発売が開始されており、市外・県外からの利用でも気軽に「宇都宮ライトレール」に触れる機会が多くなったように感じます。
今後は、宇都宮ライトレールが「宇都宮駅西口方面への延伸」を目指しており、今後の進化が楽しみな路線の1つです。
首都圏エリアからもアクセスしやすい宇都宮。
是非、宇都宮餃子のお供に「宇都宮ライトレール」はいかがでしょうか?