土日を中心に、新潟県と福島県を結ぶ磐越西線で「SL」が運行されているのはご存知でしょうか?
その名も「SLばんえつ物語」です。
様々な特徴がある「SLばんえつ物語」を深堀して行きましょう。
1.「SLばんえつ物語」とは
「SLばんえつ物語」とは、JR東日本が運行する「のってたのしい列車」の一種です。
新潟県の新津駅を起点に、磐越西線を経由して福島県の会津若松駅までを結ぶ列車です。
「SLばんえつ物語」は、その名と通り「SL」蒸気機関車で運行をしています。
現存するSLの列車では日本最長距離を誇っています。
以前は、新潟県の中心駅である「新潟駅」まで運行していましたが、新潟駅の高架化工事により新津駅まで短縮された経緯もあります。
2.「SLばんえつ物語」の概要
ここからは「SLばんえつ物語」の主な概要を見ていきます。
運転日
- 土休日
(車両の整備等により運転がない日もあります。)
運行区間
- 新津〜(磐越西線)〜会津若松
運行距離
- 111.0km(SLでの運行距離日本一)
運賃
- 乗車券:1980円
- 指定席:840円/グリーン席:2000円
運転時刻と停車駅・所要時間
上り(新津発 会津若松行) |
下り(会津若松発 新津行) |
---|---|
新津 10:03 | 会津若松 15:27 |
五泉 10:20-10:21 | 塩川 通過 |
咲花 10:38-10:39 | 喜多方 15:50-15:51 |
三川 10:56-10:57 | 山都 16:05-16:06 |
津川 11:11-11:28 | 野沢 16:27-16:37 |
日出谷 11:43-11:45 | 日出谷 17:07-17:08 |
野沢 12:18-12:20 | 津川 17:21-17:36 |
山都 12:42-12:52 | 三川 17:51-17:52 |
喜多方 13:08-13:10 | 咲花 18:09-18:10 |
塩川 13:19-13:21 | 五泉 18:25-18:27 |
会津若松 13:36 | 新津 18:43 |
上り所要時間:3時間33分 | 下り所要時間:3時間16分 |
東京からの接続列車(新津発 会津若松行)
新津発の「ばんえつ物語」は「新津10:03発」と時間が少し早いため、東京から向かう場合は上越新幹線とき303号までの新幹線に乗らないと間に合いません。
東京 7:04発 上越新幹線 とき303号 新潟行
↓
新潟 8:56着/9:19・9:37発 信越線 新津行
↓
新津 9:40/9:58着
東京方面からの接続列車(会津若松発 新津行)
東北新幹線利用
東北新幹線利用なら遅めの12時半すぎの新幹線であれば余裕で会津若松発の「ばんえつ物語」に乗車することが出来ます。
東京 12:36発 東北新幹線 やまびこ61号 盛岡行
↓
郡山 13:57着/14:15発 磐越西線 快速 会津若松行
↓
会津若松 15:20着
東武特急リバティ利用
特急でゆっくり景色を見ながら会津地方へ向かいたい場合にオススメなのが東武鉄道が運行している「特急リバティ」です。
この列車は、会津地方の「会津田島」まで乗り入れを行っており、東京から乗り換え無しで福島県の会津に行くことが出来ます。
浅草 9:30発 東武特急リバティ会津113号 会津田島行
↓
会津田島 12:38着/12:56発 会津鉄道 リバティリレー113号 会津若松行
↓
会津若松 14:07着
3.「SLばんえつ物語」の車両
「ばんえつ物語」は7両編成での運転です。
実は、SLが牽引する列車では最長編成となっています。
↑ 会津若松方
1号車:オコジョ展望車両
2号車:普通車指定席
3号車:普通車指定席
4号車:展望車
5号車:物販カウンター・普通車指定席
6号車:普通車指定席
7号車:グリーン車・パノラマ展望室(グリーン車専用)
↓ 新津方
特に注目したいのが1号車・4号車・5号車・7号車です。
1号車:オコジョ展望車両
会津若松行きは最前部、新津行きは最後尾になるこの車両には「オコジョ展望車」と「オコジョルーム」があります。
オコジョルームはお子様が遊べるスペース、展望室は磐越西線の沿線景色を楽しめる空間となっており、家族で楽しめる1号車になっています。
4号車:展望車
4号車の展望車は「SLばんえつ物語」を利用している方であれば、誰でも利用できる車両です。
窓に向かって座れるように座席が設置されており、磐越西線に沿って流れる阿賀野川の景色を楽しむことができます。
また
- 乗車記念スタンプ
- 郵便ポスト
が設置されています。
郵便ポストに投函すると「SLばんえつ物語」オリジナルの消印で届くようなので、旅の思い出にも最適です。
5号車:物販カウンター
5号車には「物販カウンター」があります。
お弁当やお菓子、おつまみ等を販売。
アイスクリームや新潟のお土産品、名物もありました。
また、「SLばんえつ物語」のオリジナルグッズも販売されており、かなり種類が豊富だった印象を受けます。
支払い方法は、「現金」「交通系電子マネー」「クレジットカード」で支払うことが出来ます。
7号車:グリーン車・パノラマ展望室
会津若松行は最後尾、新津行は最前部になる7号車はグリーン車です。
普通車指定席のきっぷをお持ちの方は立ち入ることができません。
グリーン券を持った人のみが入ることを許される7号車の座席はリクライニングシートが並んでおり、1+2列の配置でお一人様でもグループ利用でも利用しやすいのが特徴です。
グリーン車利用者だけが利用できる「パノラマ展望室」もあり、磐越西線の景色を存分に楽しむことができます。
4.「SLばんえつ物語」のきっぷの取り方
「SLばんえつ物語」は全国のみどりの窓口もしくは「えきねっと」で取ることができます。
発売開始は、運転日の1か月前の10時からです。
- グリーン車は座席数が少なく発売と同時に、上り下り共に満席になるケースが多々見受けられます。
グリーン車を利用したい場合は、あらかじめ行程を組んで予約することをおすすめします。 - 普通車指定席は、4車両分の座席があるので、比較的余裕で取れるケースが多いです。
今回、3連休の初日に利用しましたが普通車指定席の座席は「〇」となっており余裕がありました。
5.合わせて利用したい「お得なきっぷ」
週末パス
「週末パス」はお得なきっぷの中で全区間唯一、「SLばんえつ物語」の「グリーン車」を利用できます。
土休日を中心に利用ができるこのきっぷは、特急券・グリーン券を購入することで、新幹線・特急列車に乗車することができます。
またJR東日本の指定区間以外にも、
「しなの鉄道」「えちごトキめき鉄道」「北越急行」「伊豆急行」「長野電鉄」など様々な地方私鉄に乗車することも可能です。
週末パスの詳しい内容はこちらから
青春18きっぷ
青春18きっぷは、春夏冬の長期休暇時に発売されるお得なきっぷです。
JR全線の普通列車・快速列車が5日分(5回分)乗り放題になるきっぷです。価格は5日分で「12050円」 1日「2410円」でJR全線が乗り放題になります。
青春18きっぷでの欠点は「グリーン車指定席」を利用できないこと。
「SLばんえつ物語」のグリーン車は指定席のため、
「青春18きっぷではSLばんえつ物語のグリーン車は利用できません」
(※「SLばんえつ物語」の普通車指定席は利用可能)
東京から新潟までは在来線で約7時間程かかります。
過去に青春18きっぷを利用して東京ー新潟間を移動してみた記事もあるので合わせて参考にしてみてください。
6.まとめ
各地で現存するSL牽引による列車の運行が次々と終了している中で、「ばんえつ物語」はかなり貴重な列車だと感じます。
堂々の111kmを走破するSLの姿は圧巻です。
いつまでも走って欲しいところではありますが、いつまで走るかはわかりません。
行けるうちに、乗りに行けるうちに乗って欲しいオススメの「のってたのしい列車」です。
東京からの日帰り利用も可能、新潟に一泊して観光や新潟の食・お酒なんかも楽しむのも1つの手段かと思います。
是非、新潟と福島を走る走行距離日本一の「SLばんえつ物語」に乗ってみてはいかがでしょうか。