2023年12月5日、JR東日本から衝撃のプレスリリースが発表されました。
それが、「平日10000円で新幹線・特急乗り放題きっぷの発売」です。
同じ日に様々なお得な施策が発表されましたが、今回は衝撃的なお得なきっぷについての解説と注意点をご紹介して行きます。
1.「キュンパス」とは
正式名称は、「旅せよ平日!JR東日本たびキュン❤早割パス」です。名称が長いため、通称である「キュンパス」でご紹介させて頂きます。
2023年12月に概要が発表され、2024年1月14日より1ヶ月後の「キュンパス」が購入できるようになります。
ざっくりとした内容は、
「一日乗車券でJR東日本の全線乗り放題・JR東日本の新幹線、特急の自由席に乗り放題で10000円」
です。
ここでの注目ポイントは、
「JR東日本の新幹線・特急の自由席に乗り放題」
という点です。
現在、JR東日本では土休日に発売されている「週末パス」というものがありますが、新幹線・特急は乗り放題になっていません。別途特急券を購入する必要がある「お得なきっぷ」になっております。
そのような点を考えると、平日限定にはなりますが、かなり「お得なきっぷ」と言えそうです。
2.「キュンパス」の概要
利用期間
2024年2月14日〜2024年3月14日までの平日
発売期間
2024年1月14日〜2024年2月29日
利用日の1ヶ月前から14日前まで発売
例)利用日が2024年2月20日の場合、2024年1月20日〜2月6日までの発売
年齢制限
なし
発売箇所
JR東日本インターネット予約サイト「えきねっと」
※駅のみどりの窓口、指定席券売機の発売なし
有効日数
1日
発売金額
10000円
利用可能エリア
JR東日本全線、青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道、三陸鉄道、北越急行、えちごトキめき鉄道(直江津〜新井間)
利用可能列車
在来線普通列車・特急列車自由席、新幹線自由席
3.「キュンパス」利用時の注意点
購入は利用日の14日前まで
「キュンパス」の要注意点は、「乗車日の14日前までの購入」が必須になっています。
「明日、急に休みになったからキュンパス買うか」となっても購入することが出来ません。
事前に予定を立てておかないと、行けないのでその点はデメリットかと思います。
また、変更をする時も「変更日から14日後以降の日時のみ」の選択しか出来ないので、その点も不便を感じると思います。
事前にしっかり休みを確保した上で旅行に出かけましょう。
みどりの窓口での発売なし、えきねっと限定
注意点の2つ目は、「みどりの窓口・指定席券売機での発売はない」というものです。
従来であれば、お得なきっぷ等は「みどりの窓口」や「指定席券売機」での購入が可能でした。
しかし、「キュンパス」は「えきねっと」のみでの限定販売。
「えきねっと」での予約になるので、会員になっていない方は早めに登録を済ませておくことをおすすめします。
「えきねっと」は「キュンパス」の購入以外にも全国のJR線の乗車券の予約や新幹線の予約が出来る便利なサイトです。詳しい内容はこちらから
新幹線・特急の指定席は無料で2回まで可能
今回の「キュンパス」では、新幹線や特急の指定席を2回まで利用することが出来ます。
日帰りの場合は、往復で新幹線を取ることも出来るので有効的に活用したいところです。
また、1泊2日等での利用の場合は、「キュンパス」を2枚発行することになると思うので、指定席の利用は4回まで拡大されます。
新幹線の途中駅での一旦下車して観光するなど新しい発見があるかもしれませんね。
4.おすすめのモデルルート
日帰り利用
東京⇔仙台
やはり定番になるであろう「仙台日帰り旅行」
東京駅から東北新幹線「はやぶさ」を利用すれば約1時間30分程度で着いてしまう東北最大の都市「仙台」です。
比較的、東京駅からでも「はやぶさ」を除いても1時間に3〜4本程度の運行がありますので時間を気にせずに新幹線の利用ができると思います。
また、少し列車の旅を楽しみたい方には「常磐線特急ひたち」の利用もおすすめです。
品川・東京から仙台までを結ぶ直通特急は1日3本あり、所要時間は約4時間。
少し時間はかかりますが、
「水戸・日立・いわき・浪江・相馬」
と言った新幹線が通らない区間を通り、太平洋を望める車窓もあったりするのでおすすめです。
東京⇔新潟
次に候補に出てくるのが「日本海側最大の都市 新潟」
東京から上越新幹線の利用で最速1時間29分。
各駅停車タイプの「とき号」でも約2時間程度で行くことが出来ます。
新潟には様々なグルメがあり、その中でもオススメなのが万代シティにある新潟交通のバスセンター内の「立ち食いそば屋さんのカレー」
通称「バスセンターのカレー」です。
最初は甘味を感じるものの、あとから来る辛さがあり、癖になる味になっており大変美味しいカレーです。
是非一度は新潟に来ていただき、「バスセンターのカレー」を堪能して頂きたいと思います。
東京⇔長野・松本
最後思いつくのは「信州の長野・松本」です。
長野と松本は少し離れていますが、日帰りで2都市回れなくもないので2箇所同時にご紹介します。
長野は、長野県内最大の都市で長野市内には
「善光寺」「松代」「戸隠神社」などの観光地が点在するエリアです。
東京から北陸新幹線「かがやき」で約1時間20分で長野駅へ行くことが出来ます。
次に「松本」は、長野県内第二の都市であり、新宿からの特急「あずさ」で約2時間30分程度で行くことが出来ます。
「松本」には「松本城」を始め、日本一標高の高い場所にある空港「信州まつもと空港」。
少し足を伸ばせば、「白骨温泉」と言うような温泉があるエリアです。
また、名古屋〜松本〜長野間を運行している特急「しなの号」に乗車をすれば、
「東京⇔長野⇔松本⇔新宿」
と言ったようなゴールデンルートを形成することが出来ます。
日帰りで巡れる距離にあるので、どちらのエリアも楽しめること間違いなしです。
1泊2日利用
今度は首都圏発の1泊2日利用を想定したプランを考えて行きます。
東京→仙台1泊→東京
まず思いつくのが「仙台1泊プラン」。
東北最大の都市では、ビジネスホテルを中心に様々なホテルがあるので困ることはありません。
また、少し足を伸ばせば
「秋保温泉」「鳴子温泉」
と言った名湯があるエリアにも行くことが可能です。
東京ー仙台間の東北新幹線はやぶさの
片道運賃は「11210円」です。
これだけで1日分の元を取れてしまうのでかなりお得とも言えます。
「キュンパス」を2日間利用で合計で「2420円」のお得になります。
東京→新潟1泊→東京
次に日帰りでも出てきた「日本海側最大の都市 新潟」
新潟は食べ物が美味しい+少し足を伸ばすと日本海を一望できるエリアも存在します。
往路は「上越新幹線経由」
復路は「北陸新幹線経由」
と行きと帰りで経路を変えても新しい発見があるかもしれません。
特におすすめしたい車窓は
「羽越本線 村上〜あつみ温泉」
「信越本線 柏崎〜直江津」
です。
「羽越本線 村上〜あつみ温泉」は、日本海に沿って走る区間であり、「笹川流れ」で有名な場所になっています。
土休日になるとこのエリアを走る快速「海里」という観光列車が存在します。
様々な座席の種類があり、旅行プランで予約をすると食事が付いてくるものもあります。
「海里」についてはこちらから
「信越本線 柏崎〜直江津」もかなりおすすめの区間になっています。
この区間には、日本海に1番近い駅として「青海川駅」
があります。
この駅は無人駅で、1時間に1本程度の普通列車が発着するのみですが一度は降りる価値のある駅だと思っています。
また、上越地方中心の直江津には、「うみがたり」という水族館があったり、無印良品が運営する「無印食堂」
と言った珍しいお店があるのも特徴的です。
東京⇔新潟が上越新幹線指定席利用で片道「10560円」
東京(北陸新幹線・特急しらゆき経由)新潟まで全て自由席利用で片道「13760円」
です。
東京→青森or函館1泊→東京
1泊2日であれば、青森もしくは函館まで行くのもありだなと考えました。
東京→新青森は、東北新幹線はやぶさ号で約3時間。運賃は片道「17430円」です。
東京→函館までは、ちょっと特殊ですが
・東京ー新青森は「キュンパス」
・新青森ー新函館北斗は「えきねっとトクだ値」
を使えばかなりお得に行くことが出来ます。
(新青森での途中下車が必要)
「キュンパス」が1日1万円
「えきねっとトクだ値」が4500円〜6010円
で函館まで2万円かかることなく行けるのがかなり魅力だと感じます。
青森も観光しつつ、北海道新幹線に乗って函館まで足を伸ばすというのは全然良いプランだと感じます。
青森、函館共に観光地が多いエリアです。
「青森・函館観光よくばりプラン」を作って青函エリアの魅力は発見しに行きましょう。
実際の「キュンパス」×「トクだ値」を利用した函館旅行はこちらから
5.実際に利用した感想
利用日
- 2月19日(月)・2月20日(火)
利用区間
- 2月19日:上越妙高〜大宮〜秋田
- 2月20日:秋田〜大館〜秋田〜新潟〜大宮
利用した新幹線・特急列車
- はくたか号自由席:上越妙高〜大宮
- こまち号指定席:大宮〜秋田
- つがる号自由席:秋田〜大館
- いなほ号指定席:秋田〜新潟
- とき号指定席:新潟〜大宮
混雑度合いは?
今回は
- 北陸新幹線はくたか号の自由席
- 秋田新幹線こまち号指定席
- 上越新幹線とき号の指定席
- 奥羽本線特急つがる1号の自由席
- 羽越本線特急いなほ14号の指定席
それぞれ利用しました。
北陸新幹線はくたか号の混雑度
はくたか号の自由席は長野→大宮間で最も混雑していたと感じました。
特に今回乗車したのは、長野を午前中に出る新幹線且つ、「上田」「佐久平」「軽井沢」にも停車する便だったため、混雑がより一層増した感じがしました。
特に今は「インバウンド需要」が高く、冬の時期になると「長野のスキー場」からやってきたであろう大型の荷物を持った外国人を多く見受けられました。
「インバウンド需要できている外国人」+「キュンパス利用者」で自由席は混雑。
指定席は見た感じ余裕があったので、ここで利用しておけば良かったと感じました。
秋田新幹線こまち号の混雑度
こまち号は全車指定席のため、立客等は見受けられませんでしたが、ほぼ座席が埋まっており満席に近い状態でした。
最混雑区間は、「大宮→仙台間」であり、仙台で通路側が比較的空いた印象です。
また、「盛岡で旅客の入れ替わり」が発生し、混雑度は「仙台〜盛岡間」より少し空いた印象です。
秋田新幹線内は、大曲で多くの旅客が下車をして行きました。
上越新幹線とき号の混雑度
今回は、終電の1本前である「とき348号」に乗車。
特急いなほ14号からの乗り換えで利用しましたが、窓側はかなり埋まっている印象でした。
特に出張帰りのスーツを着た方が多く、上越新幹線のビジネス需要の高さも伺えました。
途中の主要駅である「長岡」「越後湯沢」でも数人の乗車があり、1車両に20人〜30人程の乗車があるように感じられました。
奥羽本線特急つがる1号の混雑度
今回は、「秋田→大館間」を特急つがる1号を利用しました。
東京からの「秋田新幹線こまち号」から乗り換えられない列車でしたので、自由席にも余裕があり窓側の席に何組かいるようなくらいでした。
途中駅でも1人〜3人程度の乗車や降車がある程度で混雑はしませんでした。
秋田を12時半過ぎに発車する「特急つがる3号」や、夕方に出発する「特急つがる5号」はまた違った混雑度かもしれません。
特に、秋田〜青森間を結ぶ重要な移動手段となっているので、東京からの1番列車が来たあとは混雑する可能性は大いにあります。
羽越本線特急いなほ14号の混雑度
今回は、秋田始発の新潟行き「特急いなほ14号」を利用しました。
秋田からの乗車はそれほど多くなく、1車両に5人〜10人程度の乗車でした。
秋田〜酒田間の乗降は少なく、「酒田」より先の区間、「鶴岡」「あつみ温泉」「村上」で多少の乗降があった程度で混雑はしませんでした。
お得度
今回は、
2月19日分、2月20日分それぞれ定価で利用するといくらになるのか実際に計算をしてみました。
- 2月19日分:乗車券+特急券=25330円分の利用
→15330円分お得(約60%OFF)
- 2月20日分:乗車券+特急券=20970円分の利用
→10970円分お得(約52%OFF)
定価だと46300円のところ→20000円で利用出来ました。(約56%OFF)
半額以上の割引で東日本を周遊出来たことになります。
とてもお得に感じ、充実した旅行をすることが出来ました。
混雑状況を確認することで、より快適な旅行に出来ると思いますので、是非皆様も「キュンパス」を利用してみてはいかがでしょうか。
6.まとめ
JR東日本が2024年1月14日から発売を開始する「キュンパス」は、1日1万円でJR東日本の全線(新幹線・特急の自由席を含む)と一部の私鉄が乗り放題になる「お得なきっぷ」です。
事前に「えきねっと」での購入が必須、利用日の14日前までに購入が必要という点に関しては制約がありますが、事前に予定をしっかり立てておけば問題のないことだと思います。
また、新幹線・特急の指定席も1枚で2回までは可能なので長距離乗る予定の新幹線や、日帰りの往復の新幹線や特急等で活用できるとかなり効果的だと思います。
もちろん1日1万円なので、出発駅から遠くに行けば行くほど、お得度が増していきます。
えきねっとトクだ値と組み合わせた使い方を行うことで北海道函館まで足を伸ばせたりするので是非活用したいところです。
平日を自由きままに「キュンパス」を活用して旅に出てみてはいかがでしょうか?