2023年の終わりを迎える12月に発表された2024年春のダイヤ改正の内容。
今回は、JR各社が2023年12月15日に発表したダイヤ改正を発表しました。
今回は、「2024年春のダイヤ改正」の主な内容をまとめていこうと思います。
1.JR各社共通
①新幹線⇔特急列車の乗継割引廃止
まず初めに、「特急列車と新幹線の乗継割引廃止」からです。
JR各社共通して「2024年3月15日分」をもって制度が終了になります。
この制度は
- 「新幹線→在来線特急」もしくは「在来線特急→新幹線」を特定の駅で乗り継ぐ場合
- 新幹線と在来線特急の特急券を同時に購入
以上の2点の条件を満たすことで、
- 「在来線特急の特急料金が半額」
になります。
例えば「東京駅から新潟駅を経由して酒田駅まで向かう場合」に適応できます。
- 東京→(上越新幹線とき号)→新潟→(特急いなほ)→酒田
この場合、通常であれば
- 上越新幹線(東京→新潟):指定席特急券4840円
- 特急いなほ(新潟→酒田):指定席特急券2090円
「合計6930円」ですが、「乗継割引」を利用することで
- 特急いなほ(新潟→酒田):指定席特急券1080円
(※10円未満は切り捨て)
となります。
このように、「お得に特急に乗れる制度」がなくなってしまうので利用される方はご注意ください。
2.ダイヤ改正の目玉
②北陸新幹線「金沢〜敦賀間」延伸開業
やはり今回の2024年春のダイヤ改正の目玉は、
「北陸新幹線 金沢〜敦賀間」の延伸開業
です。
この延伸開業により、「東京〜福井県内」が乗り換えなしで結ばれるようになり、所要時間の大幅短縮が見込まれます。
また、「北陸新幹線延伸開業」に伴い、
北陸本線「金沢〜敦賀」間が
- 「IRいしかわ鉄道」
- 「ハピラインふくい」
の各第三セクター鉄道に経営移管されます。
そして、長年「関西エリア〜北陸エリア」を結んできた北陸特急である
- 「特急サンダーバード」
- 「特急しらさぎ」
の運行区間が「福井県敦賀駅」までとなります。
また、金沢発着の「特急能登かがり火」に関しては継続的に運行されることが決まっており、
- 「金沢〜和倉温泉間」:4往復
- 「大阪〜和倉温泉間」:1往復
の計5本体制で運行していましたが、
ダイヤ改正後は全て
- 「金沢〜和倉温泉間」:5往復
になります。
- 北陸新幹線「金沢〜敦賀間」延伸開業
- 北陸本線「金沢〜敦賀間」は第三セクター鉄道会社「IRいしかわ鉄道」「ハピラインふくい」に経営移管
- 「特急サンダーバード」「特急しらさぎ」は全て「敦賀止まり」=金沢方面へは敦賀で乗り換え必須
- 金沢発着の「特急能登かがり火」は「5往復」
③山形新幹線「新型車両E8系」導入
そして、次の目玉は、「山形新幹線の新型車両E8系」のデビューではないでしょうか。
現在の山形新幹線は、1999年から活躍をしている「E3系」という車両が運行を行っています。
しかし、車両の老朽化や東北新幹線の高速化に伴い、E3系はその数を徐々に減らしていくことが予想されます。
新しい登場する「E8系」は最高時速300km/hに向上し、
- 「東京〜山形間」の所要時間が4分短縮
- 座席や居住性の向上
が期待されます。
また、従来はE2系の仙台行のやまびこ号と連結運転を行っていましたが、E5系との連結運転やE8系の単独運転が増える可能性もあります。
3.首都圏エリアの主な改正内容
次に首都圏エリアの主な改正内容を見ていきます。
④普通列車グリーン車料金体系見直し
首都圏エリアを走る2階建て車両のグリーン車。
今度のダイヤ改正で料金体系の変更があります。
従来の料金体系では、
- 「平日料金」と「休日料金」
- 「事前料金」と「車内料金」
- 「50kmまでの利用」と「51km以上の利用」
の3つの条件で料金が異なっていました。
営業キロ | 事前料金 | 車内料金 | ||
平日 | ホリデー | 平日 | ホリデー | |
50kmまで | 780円 | 580円 | 1040円 | 840円 |
51km以上 | 1000円 | 800円 | 1260円 | 1060円 |
これが今度のダイヤ改正後からは
- 平日・休日ともに料金共通
- Suicaグリーン券利用or紙のグリーン券利用で料金区別
- 101km以上の利用区間金額新設
が主な変更点になります。
新料金表は以下の通りとなります。
営業キロ/料金区分 | Suicaグリーン料金 (モバイルSuicaを含む) |
通常料金(紙のグリーン券) |
50kmまで | 750円 | 1010円 |
100kmまで | 1000円 | 1260円 |
101km以上 | 1550円 | 1810円 |
101km以上の区間料金新設により、
- 東京〜高崎
- 東京〜宇都宮
- 東京〜熱海
など休日に利用しそうな区間が軒並み101km以上の区間になり、従来の料金より値上げされます。
また遠くに行けば行くほど、オトクなグリーン券になっていたので、お得度は下がってしまいます。
実質値上げと感じる今回の改正後でも「お得に乗れる」
のが「JREポイント」を活用した「グリーン券利用」です。
JREポイント→普通列車グリーン券への引き換えは、現在「600ポイント」で可能になっており、それがダイヤ改正後も据え置きが決まっています。
また、夏や冬の大型連休時には、グリーン券を「400ポイント」で交換出来るキャンペーンも毎年実施中です。
まだ、JREポイントを貯めたことがない方やJREポイントの貯め方などはこちらで解説していますので合わせてご参照ください。
⑤京葉線運行体系見直し(夕方の快速・朝夕の通勤快速を各駅停車へ変更)
次の改正で最も「メディア」に取り上げられたのは「京葉線の運行形態の見直し」ではないでしょうか。
今回のダイヤ改正で京葉線は、
- 「夕方の快速、朝夕の通勤快速を各駅停車へ種別変更」
するといった内容です。
この改正内容が「メディア」に取り上げられ、千葉県知事や千葉県内の通勤快速が乗り入れている各市町から改善を求められるなど、各自治体にも大きく影響を与えることになりました。
元々、通勤快速は「京葉線内の東京ー蘇我間」の運行だけでなく、
- 「外房線の勝浦駅」
- 「内房線の上総湊駅」
までの広範囲での輸送を通勤快速が担っていました。
しかし、「通勤快速や快速」が「各駅停車」に変わってしまうと、
- 「速達性が無くなることによる所要時間の大幅増加」
- 「各地域への経済に大きな影響を与えかねない」
として各自治体が改善を求めた経緯があります。
当初は「朝の快速列車も各駅停車」に格下げされる予定でしたが、
各自治体の反対を受けJR東日本千葉支社が「異例のダイヤ修正」を行い、辛うじて「朝の房総地区からの京葉線直通の快速列車が2本残る」ことが発表されました。
今後の状況次第でダイヤ改正を行って行くとの発表も公式でありましたので、JR東日本と各自治体が納得するようなダイヤになって言って欲しいなと感じます。
3.まとめ
今回は、JR東日本の内容が中心となってしまったダイヤ改正まとめ内容でしたがいかがでしたでしょうか。
- 北陸新幹線の延伸開業
- 山形新幹線E8系のデビュー
等の嬉しいニュースがある反面、
- 北陸本線「金沢〜敦賀」が第三セクター鉄道へ
- 新幹線と特急の乗継割引の廃止
- 首都圏エリアの普通列車グリーン車の料金体系変更
- 京葉線のダイヤ見直し
など、今までの利用仕方から大幅に変化することもあります。
久しぶりに鉄道を利用したら色々なものが変わっていて「びっくりした」「変化についていけない」など様々な意見があると思います。
しかし昨今は様々な変化が起こる時代になっていますので、
- 変化には柔軟に対応出来るように
- 変化する内容の情報はしっかり抑えるように
することが大切だと思います。
ダイヤ改正に期待を込めて明日を待ちましょう。