「今日は東京23区内をJRであちこち回りたいけれど、1回ごとにきっぷを買うのは面倒」「何回乗り降りするか分からないから、運賃の合計が心配」と思ったことはありませんか。

そんな日に便利なのが、JR東日本が発売している「都区内パス」です。東京23区内のJR線の普通列車・快速列車(普通車自由席)が、1日乗り降り自由になります。大人870円・小児430円で、土休日だけでなく平日にも使える(利用制限期間なし)のが特長です。

この記事では、JR東日本の公式情報をもとに、都区内パスの料金・フリーエリア・利用できる列車・買い方・乗り越し精算・払戻しまでを、はじめて使う方にも分かるようにまとめました。東京フリーきっぷやのんびりホリデーSuicaパスなど、ほかのきっぷとの違いも比べています。

1. 都区内パスとは

都区内パスは、有効期間が1日間の、東京23区内向けのフリーきっぷです。フリーエリア内なら、JR線の普通列車・快速列車の普通車自由席が、何回でも乗り降り自由になります。

  • 乗れる範囲:東京23区内のJR線(普通・快速の普通車自由席)
  • 利用できる日:通年(土休日に限らず、平日も利用できます)
  • きっぷの形:紙のきっぷのほか、Suica・モバイルSuicaでも利用できます
  • 乗れないもの:新幹線は利用できません。特急やグリーン車は、別に特急券・グリーン券等が必要です
こんな日に向いています
都心の複数の駅を、JRで何度も乗り降りする日。1日のJR運賃の合計が870円を超えそうなら、元が取れる目安になります。東京23区の外から来る場合は、フリーエリアの入口駅までの運賃もあわせて考えましょう(6章・10章)。

こんな人におすすめ

おすすめできる人理由
都内のJR線で、複数の観光地・用事を回る人 山手線・中央線・京浜東北線・総武線など、都内のJR線が1枚で乗り降り自由になります
平日に都内を回りたい人 休日用のきっぷと違い、利用制限期間がありません。通年で使えます
モバイルSuicaで当日にさっと買いたい人 アプリで購入でき、フリーエリアの外から乗っても、そのまま改札に入れます(6章・7章)

2. きっぷ概要

有効期間1日間
発売期間通年
利用期間通年(利用制限期間なし)
発売額大人870円/小児430円
(モバイルSuicaは大人のみ)
フリーエリア東京23区内のJR線(4章)
利用できる列車普通列車・快速列車の普通車自由席
新幹線✕(利用できません)
特急・グリーン車▲(別に特急券・グリーン券等が必要)
きっぷの形紙のきっぷ/Suica/モバイルSuica
主な発売箇所モバイルSuicaアプリ、フリーエリア内の主な駅の指定席券売機等、主な旅行会社

※みどりの窓口での発売はありません。詳しくは7章をご覧ください。

3. 発売額

券種発売額備考
大人870円モバイルSuicaは大人のみ
小児430円モバイルSuicaでは購入できません
購入前のポイント
  • Suica・モバイルSuicaで利用する場合、Suica1枚につき1人分のみ購入できます
  • 特急券・グリーン券・指定席券等は、別料金です
  • 列車の運行不能・遅延による払戻しはありません(9章)

4. フリーエリア

フリーエリアは、東京23区内のJR線です。山手線の全駅をはじめ、中央線・京浜東北線・総武線・常磐線・京葉線・埼京線などの都内の区間が含まれます。

都区内パスのフリーエリア(簡略図)。接続駅とエリアの端の駅だけを示しています。図に載っていない駅も、フリーエリア内にあります。

方面別の主な駅

  • 山手線:全駅(東京、上野、秋葉原、新宿、渋谷、池袋、品川など)
  • 京浜東北線:北は赤羽、南は蒲田まで(王子、上野、秋葉原、東京、品川、大井町、大森など)
  • 中央線:東京から西荻窪まで(御茶ノ水、新宿、中野、高円寺、荻窪など)
  • 総武線:錦糸町、新小岩、小岩まで
  • 常磐線:南千住、北千住、金町まで
  • 京葉線:八丁堀、越中島、潮見、新木場、葛西臨海公園まで
  • 埼京線・赤羽線:池袋、板橋、十条、赤羽、北赤羽、浮間舟渡まで
  • 宇都宮線・高崎線(尾久経由):赤羽、尾久、上野(赤羽〜上野は、尾久経由と田端経由で経路が分かれます)
  • 横須賀線・湘南新宿ライン:品川〜西大井〜大崎(西大井は、このルート上の駅です)
フリーエリアの端に注意
  • エリアの南の入口は蒲田です。横浜方面から来る場合、川崎〜蒲田の区間はエリア外になります
  • 東京ディズニーリゾートの最寄りの舞浜駅は、東京23区の外にあるため、フリーエリア外です(京葉線は、葛西臨海公園・新木場まで)
  • エリア外の駅は、近くに見えても対象外です。乗る前に、JR東日本の公式フリーエリア図で確認しましょう

都区内パスの対象は、JR線だけです。東京メトロ・都営地下鉄・都バスなどは含まれません。地下鉄やバスもあわせて使いたい日は、東京フリーきっぷが選択肢になります(10章)。

5. 利用できる列車・座席

基本は、普通列車と快速列車の普通車自由席です。区分ごとの扱いは次のとおりです。

区分都区内パス
普通列車・快速列車の普通車自由席〇
普通列車・快速列車の指定席▲
普通列車のグリーン車▲
在来線の特急列車・急行列車▲
新幹線(すべて)✕
BRT✕

〇=利用できます ▲=運賃のみ有効です(別に特急券・グリーン券・指定席券等が必要) ✕=利用できません
※在来線の特急・急行は、座席の種類(自由席・指定席・グリーン車・寝台など)を問わず、運賃のみ有効(▲)です。

同じ東京23区内でも、新幹線の区間(東京〜上野など)は利用できません。新幹線にも乗れる首都圏のきっぷを探している方は、休日おでかけパスが選択肢になります。くわしくは、のんびりホリデーSuicaパス・休日おでかけパス完全ガイドをご覧ください。

6. 利用条件・注意事項

基本ルール

乗り降り自由な範囲フリーエリア内のJR線の普通列車・快速列車の普通車自由席
特急列車別に特急券等が必要です
普通列車のグリーン車別にグリーン券等が必要です
新幹線利用できません
有効日券面に記載された1日間に限り有効です。ご利用日当日に限り有効で、0時を過ぎた場合は最終電車まで有効です(終夜運転等を行う場合も、通常ダイヤの最終列車まで)

フリーエリア外へ乗り越したときの精算

Suica・モバイルSuicaに搭載した都区内パスなら、フリーエリアの外へ乗り越した場合や、外から乗車した場合の運賃を、改札機にタッチするだけで精算できます。精算額は、都区内パスが入ったSuicaのチャージ残額から、IC運賃(1円単位)・最短経路で引き落とされます。

モバイルSuicaが便利な理由
  • JR東日本の案内では、紙のきっぷで横浜から都区内パスを使う場合、フリーエリアの入口の蒲田で一度改札を出て、きっぷを買う必要がありました
  • モバイルSuicaの都区内パスなら、蒲田で降りる必要はありません。東京駅などで改札にタッチすると、横浜〜蒲田の区間がチャージ残額から精算されます
  • 残額が足りないと精算できないため、フリーエリア外へ出る予定があるときは、あらかじめチャージしておくと安心です

7. 購入方法

モバイルSuicaアプリご利用日当日のみ購入できます(前売りはありません)。フリーエリアの外にいても購入できます。アプリのダウンロード・利用にかかる通信料は、利用者の負担です
指定席券売機等フリーエリア内のJR東日本の主な駅。みどりの窓口では発売していません
主な旅行会社フリーエリアを着地に含む旅行商品と同時に購入する場合に限り、購入できます

※一部、取り扱いのない箇所があります。
※定期券情報を搭載できるSuica付きビューカードや、Suica付き学生証では、指定席券売機で都区内パスを購入できません。

モバイルSuicaなら、買うために途中下車しなくて済みます
モバイルSuicaアプリで買えば、駅の券売機に寄る必要がありません。フリーエリア外から乗る場合も、そのまま入場できます。購入手順の画面は、JR東日本の公式ページでご確認ください。

8. 利用できる日

都区内パスは通年で発売されていて、利用制限期間(使えない日)もありません。土休日だけでなく、平日にも利用できます。

項目内容
発売期間通年
利用期間通年
利用制限期間なし

のんびりホリデーSuicaパスや休日おでかけパスは土休日などに限られるので、平日に使えることが、都区内パスの大きな違いです。

9. 変更・払戻し

有効期間開始日の変更有効期間内で未使用の場合に限り、発売箇所のみどりの窓口で1回。
モバイルSuicaでの利用は、変更できません
払戻し有効期間内で未使用に限り、発売箇所のみどりの窓口で取り扱い(手数料220円)。
モバイルSuicaは、未使用で有効日の23時45分まで、アプリ内で払戻し可能(手数料220円)
運行不能・遅延時の払戻し列車の運行不能および遅延による払戻しはできません

10. 他の首都圏のきっぷとの違い

行く範囲や使う乗りものによって、お得なきっぷは変わります。JR東日本の首都圏向けの主なきっぷを比べてみましょう。

きっぷ発売額乗れる範囲ポイント
都区内パス大人870円
小児430円
東京23区内のJR線通年利用できる
モノレール&都区内パス大人1,450円東京23区内のJR線+東京モノレール全線土休日など。モバイルSuicaのみで発売
東京フリーきっぷ大人1,720円
小児860円
東京23区内のJR線+東京メトロ・都営地下鉄・日暮里・舎人ライナー・都電・都バス通年利用できる。地下鉄・バスも使いたい日向け
のんびりホリデー
Suicaパス
大人2,850円
小児1,420円
首都圏の広いフリーエリアのJR線+りんかい線+東京モノレール土休日など。新幹線は不可
休日おでかけパス大人2,950円
小児1,470円
同上+新幹線(東京〜小山、大宮〜本庄早稲田。東海道新幹線を除く)土休日など。新幹線は特急券が別に必要
ヨコハマ・みなとみらいパス大人560円
小児280円
京浜東北・根岸線(横浜〜新杉田)+みなとみらい線横浜の中心部だけを巡る日向け

どれを選ぶ?目安

  • 東京23区内をJRで巡る日 → 都区内パス(通年、870円)
  • 東京モノレールにも乗る日 → モノレール&都区内パス(土休日などに限る)
  • 地下鉄や都バスも乗り継ぐ日 → 東京フリーきっぷ
  • 湘南・房総・多摩・北関東まで足をのばす休日 → のんびりホリデーSuicaパス・休日おでかけパス

都区内パスが元を取れるかは、その日のJRの運賃の合計が870円を超えるかが目安です。東京23区は地下鉄も発達しているので、JRだけで回れるか、乗り換えの手間はどうかもあわせて考えると、選びやすくなります。

11. おすすめモデルルート

ここで紹介するのは、フリーエリアの路線をもとにした、路線の組み合わせ例(コース案)です。実際に乗車した行程ではなく、乗り継ぎ時間や所要時間は掲載していません。列車の本数や乗り換え時間は、事前に時刻表で確認して計画を立てましょう。

コースルートポイント
①山手線ぐるりコース東京→(山手線)→上野→池袋→新宿→渋谷→品川→東京山手線の全駅がフリーエリア。気になる駅で何度でも途中下車できる
②中央線コース東京→御茶ノ水→新宿→中野→高円寺→荻窪→西荻窪西荻窪が、中央線のフリーエリアの西の端
③京浜東北線コース赤羽→王子→上野→東京→品川→大井町→蒲田赤羽〜蒲田が、京浜東北線のフリーエリア。南北に長く乗れる
④湾岸コース東京→八丁堀→潮見→葛西臨海公園→新木場京葉線のフリーエリアは新木場・葛西臨海公園まで。舞浜は対象外
⑤総武線・下町コース秋葉原→錦糸町→新小岩→小岩小岩が、総武線のフリーエリアの東の端

12. よくある質問(FAQ)

Q. 都区内パスは、平日でも使えますか?
A. 使えます。都区内パスは通年で利用でき、利用制限期間もありません。

Q. 都区内パスで、どこまで乗れますか?
A. 東京23区内のJR線の普通列車・快速列車の普通車自由席が乗り降り自由です。エリアの端は、北が赤羽、南が蒲田などです(4章)。

Q. 地下鉄やバスにも乗れますか?
A. 乗れません。都区内パスの対象はJR線だけです。地下鉄・都バスも使いたい場合は、東京フリーきっぷがあります。

Q. 特急列車に乗れますか?
A. 別に特急券等を買えば乗れます。きっぷでカバーされるのは運賃の部分だけです。

Q. グリーン車に乗れますか?
A. 普通列車のグリーン車は、別にグリーン券等を買えば乗れます。

Q. 新幹線に乗れますか?
A. 乗れません。東京23区内の区間でも、新幹線は対象外です。

Q. フリーエリア外から乗って、エリア内で降りることはできますか?
A. できます。Suica・モバイルSuicaに搭載した都区内パスなら、エリア外の区間の運賃は、改札にタッチするだけでチャージ残額からIC運賃(最短経路)で精算されます。

Q. 子ども用はありますか?
A. 小児用は430円です。ただし、モバイルSuicaでの都区内パスは大人のみで、小児の設定はありません。

Q. 家族や友人と1枚を共有できますか?
A. できません。Suica・モバイルSuicaで利用する場合は、Suica1枚につき1人分のみ購入できます。

Q. 前日までに買っておけますか?
A. モバイルSuicaでの購入は、ご利用日当日のみで、前売りはありません。紙のきっぷは、有効期間内で未使用の場合に限り、発売箇所のみどりの窓口で有効期間開始日を1回変更できます。

Q. みどりの窓口で買えますか?
A. 買えません。モバイルSuicaアプリ、指定席券売機等、主な旅行会社(フリーエリアを着地に含む旅行商品と同時の場合)で購入します。

Q. 払戻しはできますか?
A. 有効期間内で未使用に限り、手数料220円で払戻しできます。モバイルSuicaは、有効日の23時45分まで、アプリ内で払戻しできます。列車の運行不能・遅延による払戻しはありません。

13. まとめ

都区内パスは、東京23区内のJR線(普通・快速の普通車自由席)が、通年1日乗り放題になるきっぷです。大人870円・小児430円で、平日にも使えます。新幹線は使えず、特急やグリーン車は別に特急券・グリーン券が必要です。

モバイルSuicaで買えば、フリーエリアの外からでも途中下車せずに入場でき、乗り越し分はチャージ残額から自動で精算されます。JRで都内を何度も乗り降りする日は、まず都区内パスを検討してみてください。地下鉄も使うなら東京フリーきっぷ、休日に郊外や空港まで足をのばすなら、のんびりホリデーSuicaパス・休日おでかけパスが選択肢になります。

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